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2007年07月10日

水の鳥

全5章からなる短編集です。久々の山田玲司オリジナル作品。
第1章は2000年の作品で最終の第5章は2007年発表作です。
つまり、7年越しの創作ということですが、
全章コンセプトは一貫しています。

手塚治虫さんの「火の鳥」は「生きること」を
前面に出した作品でしたが、この「水の鳥」は
「死」という逆の視点から同じものを表現しています。
その「同じもの」というのは「再生」です。
過去を背負って生きるのではなく、過去の自分を殺して
新しい人生を生きていくという考え方は、
苦しみから逃れる手段として「死」しか思い浮かばない
そんな時代背景が導き出した必然的な答えなのでしょうか?

「死にたいくらい嫌なこと」なんかひとつもなく、
「なにかいいことないかなぁ?」なんて考えながら、
ただボ〜っと口を開けて待っているだけのおマヌケさん。
そんな人間になっていないですか?
「これをやらないくらいなら死んだ方がマシ」とか
「これが無くなったら生きている意味が無い」とか
「自分はこれをやるために生まれてきたんだ」とか
そんな大切な「これ」がある人は、
本当の意味で「生きて」いるんだと思います。
しかし、それが本当に正しいことなのかどうか、
それは自分自身にもわかりません。
「これ」は時として自分を苦しめる要因にもなるからです。
それを諭す者こそが、作中の「水の鳥」なのだと思います。

深く考えずに素直に読めばすんなりと受け入れられる作品です。

posted by haggy at 02:47| Comment(0) | TrackBack(1) | 山田玲司さんの作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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